有機強塩基について

DBU®

 DBUは有機化合物では、最も強い塩基性を示すものの一つであります。1967年に、この構造の化合物がサンアプロ株式会社によって、世界で初めて工業化されて以来、水酸化ナトリウムを置き換え得るほどの塩基性の強さを好まれ、多くの研究者によって数々の特徴ある反応が紹介されてきました。DBUの安定性と強塩基性と有機溶媒に対する広い範囲の溶解性は、種々の有機合成反応において高い触媒活性、温和な反応条件、目的物に対する高い選訳性を与え、現在でも次々と新しい用途が見出され、多くの報告が発表されています。

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DBUの基礎
DBUをもっと詳しく知りたい方は
DBUの応用例~ファインケミカルの合成から高分子の重合触媒まで~

DBUの塩基性の強さを示す数値については、測定条件によって幾らかの差は見られますが表1のような測定値が知られています。

化審法番号(5)1117
CAS No  6674-22-2
C9H16N2 MW=152

表1 DBUのpKa値
pKa値(H2O) 測定条件 著者 発表年
11.3 50% aq. EtOH Barton 1982
11.5

中谷

1975
11.6
Banchette 1984
ca.12.5
小野 1978
12.9 1M aq. Soln. 橋本 1970
13.4 10% aq. Soln. Casati 1983

図1 DBUの共鳴安定構造

このような塩基性の発現は、NMRにおける6位と2、9、11位の炭素のプロトンの形状から、左のような共嗚安定構造の寄与によるものと考えられています。

DBUの化学的性質

1価の第三級アミンとして反応し、酸と安定な塩を、アルキルハライドとは第四級アンモニウム塩を形成します。広い範囲の有機合成分野で、酸やハロゲン化水素の脱離反応、環付加反応、イソシアネートとの反応、Wittig反応、Michael付加反応、開環反応、エステル化反応、オキシム化反応、オレフィンヘの付加反応、DBU金属コンプレックスを介する種々の反応などに応用することが可能です。

DBU自身の反応挙動

加水分解:水の存在下、特に高湿では徐々に加水分解を受けます。
還元反応:高圧水素添加によって第一
級アミンに還元されます。

DBN

DBUとともに、最も強い有機塩基のひとつ。DBU と同様に各種の反応に広く応用が可能。エポキシ樹脂の硬化触媒・促進剤として使用すればDBUと比較して製品に微妙な物性の差を発現させることができる。DBUと相互補完的に使い分ける。

図2 超強塩基の反応例

DBUの物理的性質

DBUは無色~淡黄色のかすかにアミン臭のする液体です。石油エーテル等ごく一部の溶媒を除くほとんどの有機溶媒や水によく溶解します。

外観:無色~微黄色液体
・分子量: 152.14
密度:1.04 g/ml
屈折率:1.52
引火点(C O.C.)109°C
沸点:259~260℃ /1013 hPa
臭気:微アミン臭
pH:13.4(10% aq soln.)
pKa:12.5

・DBUの溶解性
 DBUは日常使用されるほとんどすべての有機溶剤に可溶で
あって、任意の溶剤を用い
て反応させることができます。

 可溶:水、エチルアルコール、ベンゼン、アセトン、酢酸エチル、
エーテル、ジオキサン、1, 4-ブタンジオール、DMSO、
液体アンモニア、ポリエーテルポリオール

 難溶:石油エーテル

DBUに関する法規と安全性

・化学名:1,8-Diazabicyclo (5,4,0) undec-7-ene
・化審法:既存 化審法番号: (5) 1117
・労働安全衛生法:既存(1979年6月29日までの化審法公宗物質) 第2条
・消防法:危険物第4類第3石油類危険等級皿 水溶性
・船舶安全法:危規則:腐食性物質。 国連番号・1760
・TSCA:収載
・CAS No.: 6674-22-2
・急性毒性:LDso=836 mg/kg 経口ラット
・変異原性:認められない。
・Ames Test:陰性
・刺激性:眼、皮膚、呼吸気道等に激しい痛みを伴なった刺激があり、腐食を起こすことがある。

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